牛に対して琴を弾ず(読み)ウシニタイシテコトヲダンズ

デジタル大辞泉 「牛に対して琴を弾ず」の意味・読み・例文・類語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛に対して琴を弾ず」の意味・わかりやすい解説

牛に対して琴を弾ず
うしにたいしてことをだんず

どのように説き聞かせても効果のないことのたとえ。中国宋(そう)の善郷(ぜんきょう)が撰(せん)した字典『祖庭事苑(そていじえん)』に、魯(ろ)の賢人公明儀がウシの前で琴を弾じ、『清角(せいかく)の操』という名曲を聞かせたが、ウシは知らん顔をして草をはんでいた。ところがカやアブ羽音や子ウシの鳴き声をまねると尾を振って歩き出し、耳をそばだてたりした、とある故事によることばで、志の低い愚人に対して、いかに高尚なことを説き聞かせても、なんの役にもたたないことをいう。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android